アップアップガールズ(落)、ありがとうございました

小泉花恋主催ライブ「Panda! Panda! Panda!」Vol.2〜第2章〜にご来場いただき、誠にありがとうございました。小泉花恋運営チームチーフプロデューサーの相沢あいです。

今回の主催ライブの当初は、「相沢Pの生誕祭。いま相沢が見たい!攻めの対バンライブ!」という、いろんな意味で攻めてるアイドルをお招きして、小泉に足りない攻めの姿勢を学ばせたいと思ってブッキングしました。

そんな折、アップアップガールズ2期生のオーディションで最終に残ることが決まり、本人も情熱を注いで取り組んでいたので、私も佐保さん推しのアプガファンとして応援していました。

しかし運営目線で考えると、合格したら主催ライブをソロ最終回の場に、落ちたらファンの方に「戻ってきたよ」と報告する場にする、2方向同時に設計する必要があったので大変です。もし「他の落ちた子を集めて、課題曲の『アッパーカット!』をやったら、どれだけアツい展開になるだろう…」という構想はありつつも、それはとても難しい話だとわかっていたので、実現できないと思っていました。やるなら小泉と小泉のスタッフでネタ的に(落)Tシャツを着て、アプガの事務所に黙ってゲリラ的にやって、みんなで泣き笑って終わるのが落としどころだろうな、と。


そしてご存知の通り、結果は不合格でした。 その後2週間、主催ライブまでのスケジュールが怒濤だったので、時系列でまとめます。


24日(金):タイミング悪く夜のライブの30分前に不合格通知。小泉、頭が真っ白になりながらも、まだ知らない体でライブと特典会をやりきる

25日(土):(2)合格者の情報解禁

26日(日):夕方にもかもかから小泉に「いつか共演したい」と連絡がきたので、3月11日のイベントに出てもらうことを提案。1人誘うなら全員誘ったほうが良いと、小泉が勇気を出して全員に声を掛け、きゃさりんとまゆほっきー快諾。並行して小泉がアプガの事務所であるYU-Mエンターテインメントさんにライブ企画趣旨と音源使用を確認→許可をいただく

27日(月):正午に落選メンバーの小泉主催ライブ参戦情報を解禁。渋谷MODIの巨大モニターにCHEERZの広告として小泉花恋掲出開始

28日(火):悩んでいた、りの・まるちゃんから出演の返事をもらう

1日(水):りの・まるちゃんの参戦情報を解禁。小泉花恋、新曲レコーディング

2日(木):小泉花恋新曲振付、「アイドル三十六房」出演

6日(金):渋谷MODIの巨大モニターにCHEERZの広告としてアップアップガールズ(仮)掲出開始。

7日(火):KawaiianTVの「IDOL♡アカデミー(K・U・T )ノ爆」出演

9日(木):新曲ボイトレ

10日(金):元アップアップガールズ(2)候補生のスタジオ撮影、ダンスレッスン、チケット完売

11日(土):イベント本番、満員御礼


想像の域を出ないだろうと思っていたことが、現実として動き出し、一気に2週間を駆け抜けました。それを実現させたのは、6人の勇気に他なりません。

私が大人として・過去に芸能を志した先輩として自分に課したことは、勇気を出して未来に踏み出そうとする6人に、どれだけ「出て良かった」と思ってもらえるか、どれだけ良い未来を見せてあげられるか、どれだけ「オーディションを受けて良かった」とポジティブな思い出に変えてあげられるかでした。

そのためには、まずはバズらせ、多くの人に興味を持ってもらう必要があったので、6人の不合格の傷に塩を塗り込むようなことだとわかりつつ、メディアで仕掛ける時には積極的に(落)を使うようにしました。オーディション前から決まっていた番組で(落)をイジり、「地下アイドルまとめブログ」にあえてバカバカしさを打ち出した広告を出し、各種メディアに掛け合うなど、色々なことを試してみたのですが、うまくいったものもあれば、思うような結果を得られなかったものもありました。

このライブを成功させたら絶対に6人の次につなげられるし、次にオーディションを受けて、そこの運営チームから過去を調べられたときに「ガッツがある子じゃん!」と思ってもらえます。何かと出費が多いアイドル運営の心理として、「辞めなそう」「やる気がありそう」は「この子を合格させたい」と思うだけのアドバンテージ。初期投資したのに、回収できないまま辞められると、赤字が残るだけだからです。そのあたりの事情を6人に話したりもしました。

出演メンバーが確定してからは、LINEでメンバーと打合せを続け、初顔を合わせはなんと前日。小泉に( )Tシャツの制作を任せ、事務所にスタジオキットを立てて撮影し、ダンススタジオを借りてアッパーカット!を練習しました。その後はSHOWROOM配信中にチケットがSOLD OUTしたり、デザイナーがメンバーカラーに合わせてかわいく作ってくれた物販チケットをカットしたり、音源を手配したりと大忙し。遅い時間までメンバーが頑張ってくれたので、ライブ当日は睡眠不足だった子もいたと思います。私もせっかくファンの皆さんにお金を出していただくなら「買って良かった」と思ってもらえるものを作りたいと、撮って出し生写真7パターンの制作は明け方まで続きました…。

当日会場に到着すると既に長蛇の列で、開演時間までに列が途切れなかったため、「れんれんに間に合わなかった」というお客様を減らすため、急きょ小泉にやらせる予定だった注意事項をお伝えする前説を私がやることに。交代して小泉が黙祷、元二丁ハロの百恵ちゃんに作ってもらった新曲「愛のコトワリ」を初披露しました。

その後は、元アップアップガールズ(2)候補生によるソロやユニットのステージ。ここで5人の持ち時間を9分と伝えてしまったことが災いし(転換やトークを含めて6〜7分で見て、と伝えるべきだった)、20分押しに…。小泉花恋の出番を2曲カットして調整することで、なんとか10分押しまで縮めることができました。小泉目当てにお越しいただいた方が多かったのにも関わらず申し訳ございません。

そしていよいよ元アップアップガールズ(2)候補生6名によるコラボステージ。オーディション時の服装に似せたTシャツに入れたのは、(2)でも(落)でもなく、それぞれ次の道に歩んでいく決意を込めた( )です。


1人ずつトークでオーディションを振り返り、それぞれの思いをのせた渾身の「アッパーカット!」に、涙ぐみながら声援を送るファンという、私が構想しながらも「絶対に実現はできないだろう」と思ったステージがそこにはありました。

鳴り止まないアンコールをいただき、それぞれの衣装に着替えて再登場。一人ずつ挨拶をして、今後について話します。小泉がもう1回「アッパーカット!」をやりたいと言い出した時には「押してるし時間的にまずいな…」と思いながらも、会場の熱量の高さと、私ももう1度最後の「アッパーカット!」が見たくなり許可することにしました。バラバラの衣装でやる「アッパーカット!」は、違う道に進んでいくというメッセージがのったせいか、大粒の涙をぬぐうことなくステージに声援を送る方が多かったのが印象的でした。

アプガの事務所であるYU-Mエンターテインメントさんからお花をいただいたのは、本当にサプライズだったのですが、今回のイベントを認めてくださった懐の深さは本当にありがたかったですし、このような形で応援のメッセージをいただけたことをとても嬉しく思いました。


沢山の方に支えられて、ライブは終了。このライブは、6人が勇気を出して1歩踏み出そうとしたからこそできたものでした。オーディション時のパフォーマンスの悔しさを晴らす場でもあり、自分の中で区切りを付ける場でもあり、合格した4人にエールを送る場でもあり、なによりオーディションを応援してくれたファンの方に直接お礼を言う場でした。

2週間弱という短い時間ではありましたが、バラバラの個性が揃った6人は間違いなくキラキラと輝く青春ど真ん中のグループアイドルでしたし、オーディションに落ちてグループを結成するというモーニング娘。イズムを感じさせるストーリーでした(写真は「モーニングコーヒー」のオマージュ!)

私が感じたメンバー評を書かせていただきます。

■もかもか

ソロアイドルになることを検討していて、ダンスがコンプレックスだったもかもかには、もっと挑戦してほしいと思い、オーディション時とは違いますが、センターである仙石さんのパートをお願いしました。歌のうまさに加え、ちょっとした表情で印象がガラリと変わるフォトジェニックさが、スチール撮影しながら魅力的だと思いました。

■まゆほっきー

モデルのようなビジュアルなのに、尊敬してるのは江頭2:50さんという、ちょっと様子がおかしいおもしろキャラとのギャップばかりが話題に上りましたが、北海道からの交通費を出せないと言ったのに、「旅行気分で行くから大丈夫」と大人な気遣いを見せてくれる、とても優しくて性格の良い子でした。是非夢を叶えて上京してほしいです。

■きゃさりん

天性の明るさと華やかさがある子だと思いました。空気がピリッとしている時に、周りを和ませたり、パッと明るくさせるのは、誰にでもできることではないので、それはとても大きな才能です。スチール撮影をしていて、抜群の安定感があったので、アイドルはもちろん他ジャンルの芸能でも開花できそうな素材だと思いました。

■りの

ダンススキルが非常に高く、しなやかさもキレもあるので、ステージでとても目を引く子です。森さんと新井さんのパートの兼任という難しい役をお願いしました。一見クールな印象を与えますが、内に熱いものを秘めており、非常にクレバー。個性がバラバラで、会話をしているとすぐ脱線していく6人グループにおいて、リーダー的存在で引っ張ってくれました。

■まるちゃん

今回の最年少でしたが、トークの上手さがずば抜けていましたし、ライブ中の煽りも上手く、さすが元経験者だと思いました。勘が良く、「こうしてほしい」と言うと、それ以上のことを見せてくれるので、大人になるにつれどんどんイイ女になっていくタイプでしょう。スチール撮影をしていて、瞳の美しさに引き込まれました。

■れんれん

もともとの関係性があるので、他メンバーより贔屓して見えることがないよう注意して接しました。普段はのんびりした子ですが、このオーディションと主催イベントを通じて、沢山悩んで学んで成長したと思います。本気になればどんなことも実現できるという経験は、今後アイドルをやっていくうえで、大きな糧となっていくはずです。

6人は、それぞれの道を歩んでいきますが、勇気を出せば道を切り開くことができると知った彼女たちは、より良い未来に向かって歩んでいけるはずです。空白の( )の中に、それぞれ何を入れていくのか見守るのが楽しみ。これからも彼女たちを応援していただけたら、とても嬉しいです。ありがとうございました!